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事実

X(原告・控訴人=被控訴人・上告人)は、一般貨物自動車運送事業等を営むY社(被告・被控訴人=控訴人・被上告人)に雇用され、トラック運転手として勤務していた。¶001

Y社では、かつて、業務内容等に応じて賃金総額を決定した上で、その総額から基本給と基本歩合給を差し引いた額を時間外手当とするとの賃金体系がとられていた。Y社は、労働基準監督署からの指導を契機として就業規則を変更し、新給与体系を導入した。新給与体系下では、業務内容等に応じて賃金総額を決定した上で、その総額から基本給等(基本給、基本歩合給、勤続手当等)を差し引いた金額を「割増賃金」として支給し、この「割増賃金」は、基本給等を通常の労働時間の賃金として労基法37条等に基づいて算定した「時間外手当」とその余の額(「調整手当」)からなるものとされた。¶002