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Ⅰ 集合財担保の課題
1 活性化しない理由
法制審議会担保法制部会において担保法制の見直しが進められており、近日中に「担保法制の見直しに関する中間試案」が決定され公表される見込みである。¶001
今般の担保法改正は、動産や債権を担保目的とする非典型担保を中心に法制化するものであるが、なかでも集合動産を目的とする担保(部会資料にいう「特定範囲に属する動産の集合体であって、設定後に新たに動産がその集合体に加入することが予定されているもので、設定者が、通常の営業の範囲内で、集合動産の構成部分である動産を処分し、または集合動産から逸出させる権限を有するもの」。以下「集合動産担保」という)や集合債権を目的とする担保(部会資料にいう「目的債権が特定範囲によって特定され、特定範囲に現に発生していない債権を含むものである場合において、設定者が、通常の営業の範囲内で、その特定債権に含まれる債権の取立てをする権限を有するもの」。以下「集合債権担保」という)による金融の活性化を図ることが念頭に置かれている。¶002