Part Ⅳ ❸ 宗教法としてのイスラーム法から見た法の正当性について1)

Ⅰ.最初に

1996年5月、とある国の裁判所で、国立学校の女子生徒に顔を隠すような衣装の着用を禁止した省令に対する違憲訴訟の判決が下された。この訴訟は、当該省令に違反し、顔を隠す服装をしていたという理由で入学を拒否された生徒の保護者が起こしたもので、省令は個人の自由・安全の権利等の憲法規定に違反しているため違憲であって処分は無効である、と主張したものであった。このような主張に対し、裁判所は、省令は合憲であって処分は適法であるとの判決を下した。