Part Ⅳ ❶ 宗教は法にとって必要か?

たとえば私がある日、この世界は空飛ぶスパゲッティ・モンスターによって創造されたものであり、その啓示に従ってあらゆる写真にはパスタの湯切りザルをかぶって写らなければならないと主張し、運転免許証の更新の際にそのような状態で顔写真を撮影されるべきことを警察に要求したとしよう。私自身はこの主張が私の真摯な宗教的信念に基づくものであり、顔の主要部分を隠さないようにザルをかぶれば個人識別という免許証の機能にも支障ないのだから認められるべきだと言い張ったとする。私はどのように扱われるだろうか。それは、敬虔なイスラム教信者の女性がブルカ(全身を布で覆い、目の周辺は網状にして本人の視界を確保している衣装)を着用したまま免許証の写真に写りたいという主張と、どのように異なっているだろうか。刑務所の食事で豚肉を拒否したいという要求が認められるのであれば、ザルをかぶって写真に写りたいという希望を認めるべきなのではないだろうか。