Ⅰ.序論

憲法学の方法と言えば、憲法学が法学の一分野であるならば、それは、憲法という法の解釈をヨリ客観的、説得的にする為の手段であろう。故に、憲法理論や比較憲法や憲法史学が、この憲法学の方法の中の更に一手段であるならば、それは、憲法自体のあるべき態様を端的に開陳するのでなく、憲法の具体的解釈を通じ敢行するべきとなろう1)

勿論、この方法なるものは、固定した制定法、特に硬性憲法の下で、その憲法条項の存在を前提とした、比較的に安定的な道筋ではある。しかし、急転直下で流動化しうるこの憲法改正の動向は兎も角として、今世紀初頭以来益々激化する国際化、経済化、高齢化の諸傾向の他、デジタル化やコロナ危機など全世界を揺るがす事態も進行している。