Ⅰ. はじめに

わが国の特許侵害訴訟における第三者からの意見募集の初めての試みとして、知財高裁平成26年5月16日判決(判時2224号146頁)〔iPhone大合議事件〕において、標準規格必須特許について(F)RAND宣言がされた場合の当該特許権による差止請求権および損害賠償請求権の行使について意見募集が行われた1)。これは当時の法制度の枠内で、当事者が訴訟上の合意をすることにより、かねてよりわが国への導入論が提唱されていた米国のアミカス・キュリエ(またはアミカス・ブリーフ)制度2)と類似の結果を得ようとしたものであったが、実施結果に対する裁判所や関係者からの評価は概して高く、意見募集のさらなる活用が期待されていた。