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Ⅰ. はじめに

東京地方裁判所及び大阪地方裁判所においては、令和元年10月1日から、知的財産権に関する紛争を解決する新たな手段として、知財調停を活用する取組が行われている。知財調停は、幅広い分野において、多数利用されるに至っており、スピード感のある審理の下、高い調停成立率が示されている。¶001

本稿は、知財調停の概要、特徴等を説明した上で、実際の事例を紹介することにより、運用開始から約2年を経過した現時点において知財調停が果たしている役割及びその将来の展望について論じるものである。なお、本稿中の意見にわたる部分は、全て筆者の個人的な見解である。¶002