Ⅰ. はじめに

1. 知的財産推進計画2021

2021年7月13日、政府の知的財産戦略本部は、「知的財産推進計画2021」(以下「推進計画」という)を決定した。知的財産推進計画は、知的財産基本法23条に基づき、知的財産の創造、保護及び活用に関する施策を集中的かつ計画的に推進するために、内閣に置かれた知的財産戦略本部(同法24条)によって、2003年以降、毎年策定されているものである。

推進計画では、「―コロナ後のニュー・ノーマルとデジタル化・グリーン化競争―」との冒頭文において、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の世界的な蔓延拡大によって変化を遂げた我が国の現状も踏まえつつ、今後の知財戦略について、「競争力の源泉たる知財の投資・活用を促す資本・金融市場の機能強化」、「優位な市場拡大に向けた標準の戦略的な活用の推進」、「21世紀の最重要知財となったデータの活用促進に向けた環境整備」、「デジタル時代に適合したコンテンツ戦略」、「スタートアップ・中小企業/農業分野の知財活用強化」、「知財活用を支える制度・運用・人材基盤の強化」、「クールジャパン戦略の再構築」と整理し、これらを重点7施策として掲げている1)