Ⅰ. 企画の趣旨

知的財産戦略本部「知的財産推進計画2021」(2021年7月13日)(以下「推進計画」)68頁以下は、第1に、知財紛争解決に向けたインフラ整備の現状について、次のように整理している。

「企業のグローバルな展開が進む中、企業が知財紛争に関わるリスクは益々高まっており、紛争のグローバル化が進むにつれ、その解決方策も複雑化している。

これまでも、知財紛争解決に向けたインフラの整備に向け、2019年の特許法等の一部改正では、特許権等の侵害訴訟において、中立的な専門家による証拠収集が可能となる査証制度が導入されるとともに、特許権侵害に対する適切な救済に向けた損害賠償額の算定方法の見直しが行われている。さらに、特許権侵害訴訟において裁判所が広く第三者から意見を募集できる制度の導入が盛り込まれた特許法等の一部改正法案が、2021年5月に成立している。