Ⅰ. 問題の所在

本稿では、スマートコントラクトに対して国際物品売買契約に関する国際連合条約(CISG)が適用されるか否か、そして適用されるとすればどのような論点があるか、という問題を検討する。スマートコントラクトやブロックチェーンに関する法律学の文献の中で、CISGの適用を論じたものは、日本にはほとんどない。そこで、海外の議論を参照しながら、「国際物品売買契約」該当性()、契約の成立に関する規定の適用()、契約の履行障害に関する考え方()、そしてCISGの適用が提起する問題()について、順次、検討を加えることとしよう。