Ⅰ. はじめに

企業不祥事の再発防止に必要かつ適切な対策を講じるには、その原因と周辺・関連事実を究明しなければならないが、事実の究明に必要な証拠の形式の多くは現在デジタルである。デジタルデータには紙や人の供述と異なる特性があり、証拠の適切な収集・保全にデジタルフォレンジックが活用されるようになった。昨年は定時株主総会運営の公正性に関連する調査でAIを活用するデジタルフォレンジックが注目された1)。本稿では、でAI活用のフォレンジック調査に関する議論を紹介し、でAIフォレンジックのプロセスを解説する。フォレンジックの手法は各種あり、対象領域もデジタルが関連するほぼ全域に及び、たとえば事故で破損したドライブレコーダからの映像データの復元や、医療記録の検証など多様にある。中でも近時経営課題となりフォレンジック対応が重要となったサイバーセキュリティ分野についてでは論じる。