Ⅰ. はじめに

「持続可能な開発目標(SDGs)」は、2015年9月の国連サミットでコンセンサスにて採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030年アジェンダ」(UN Doc. A/RES/70/1)(2030年アジェンダ)の中核にある、国際的な政策目標である。そしてその基礎には、持続可能な発展(sustainable development: SD)1)の概念がある。SDGsの登場は、この概念のフレーミングの再構成――環境と経済の調和概念から環境・経済・社会の統合概念へ――を受けたもので、さらに、国際社会がその普遍的価値を中心に据えた「統合的な」ガバナンスに本格的に乗り出したことを意味する。本稿では、国際環境法の視点を織り交ぜながら、SDGs登場の歴史的なプロセスを振り返り、また将来に向けた課題を指摘する。