Ⅰ. はじめに

「持続可能な開発目標」(SDGs)は「誰一人取り残さない」という理念の下で、「すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する」(ゴール4)ことを目的としている。その一方で、現実には、子どもをもつ世帯によって社会的経済的な格差があり――あるいは「子どもの貧困」といわれる状況があり――、それらが「教育機会の格差」に結びつき、将来世代の「格差」と「貧困」を再生産する要因となっている1)。そこで、本稿では、日本における「貧困と教育」の過去と現在を確認したうえで、日本国憲法26条を「すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育」を保障するものとして定位することを試みる。