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Ⅰ. はじめに

以前、インターネット上の名誉毀損を題材にその免責基準を考察した1)が、その後もインターネット上の権利侵害件数は増加し続けてきた。折しもテレビ番組の出演者がインターネット上での誹謗中傷を原因として自殺する痛ましい事件が起こるまでになり、大きな社会問題となったことから、刑法上の侮辱罪(刑231条)の法定刑引上げを柱とする刑法改正案が本国会で成立した。このような状況をふまえて、本稿は、インターネット上の侮辱について、その特徴及び不法行為上の保護について考察するものである。¶001