Ⅰ. はじめに

2021年6月11日、コーポレートガバナンス・コード(以下「本コード」という)の改訂版(以下「改訂コード」という)と「投資家と企業の対話ガイドライン」(以下「対話ガイドライン」という)の改訂版(以下「改訂ガイドライン」という)がそれぞれ公表された。

新型コロナウイルスの感染拡大を契機として事業を取り巻く環境の変化が加速する中、企業の新たな成長を後押しし、中長期的な企業価値の向上を図るためには、今般の本コード及び対話ガイドラインの改訂(以下「本改訂」という)についての的確な理解を基に、形式ではなく実質を伴った開示が行われ、これに基づき投資家との間で建設的な対話が行われるなど、幅広い関係者において実効的な取組みが広がっていくことが期待される。こうした理解の一助となるように、本改訂の経緯、内容等について概説する。なお、本稿において意見にわたる部分は、いずれも筆者らの個人的見解である。