Ⅰ. はじめに――レコード・レコード実演及び映像実演の利用円滑化に共通する枠組み

本稿では、本特集の池村論文に続き、令和3年著作権法改正のうち、レコード・レコード実演及びリピート放送の同時配信等における映像実演の利用円滑化、並びに裁定制度の拡充、の部分を取り上げる1)

今回の改正の主眼は、放送(報酬請求権)と配信(許諾権)の制度上の差異に起因して放送番組の同時配信等における利用が困難となるという課題を解決することにあった。放送番組の同時配信等を円滑に実施するためには、著作隣接権の関係では、レコード・レコード実演及び映像実演の権利処理の問題を伴い、レコード製作者の権利と実演家の権利の双方との関係が生ずる。まず、今回の改正法が採用したこれら権利処理に共通する枠組み、特色を概観する。