▶ 事実

平成16年12月、X(原告・被控訴人=附帯控訴人・被上告人)は、Xの母の死亡により開始した相続(以下「本件相続」)につき、他の共同相続人と共に、相続税法55条(平成18年法律第10号による改正前のもの。以下同じ)に基づく相続税の申告を行った(以下「本件申告」)。本件申告において、Xは課税価格を約22億円、納付すべき税額を約10億円とした。

課税庁は、平成19年2月、Xに対し、相続財産に含まれる株式(以下「本件各株式」)の一部の価額が過少であるとして増額更正処分を行った(以下「前件更正処分」)。Xは前件更正処分につき不服申立てを経て取消訴訟を提起した(以下「前件訴訟」)。前件訴訟では、本件各株式のうち、取引相場のない株式であるA社株式およびB社株式の価額が争点となった。東京地判平成24・3・2判時2180号18頁および東京高判平成25・2・28税資263号順号12157(以下「前件判決」)は、評価通達における「株式保有特定会社」の判定基準について合理性を認めることはできないとして、それを前提にA社株式およびB社株式の価額を認定した。その価額は、前件更正処分のみならず、本件申告における価額をも下回るものであった。また、前件判決を受け、平成25年5月に、評価通達における株式保有特定会社の判定基準が一部改正された。