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Ⅰ 報告の目的

令和4年民法改正(令和4年法律第102号)及び令和6年民法改正(令和6年法律第33号)において、親の養育についてさまざまな「子の利益」を実現する個別の枠組みが整備された1)。もっとも、民法817条の12第1項において「子の心身の健全な発達を図る」との子を養育する父母の責務が明記されたものの、それ以上に「子の利益」が何かについては明らかにされていない。そもそも、養育にかかる「子の利益」という概念の意味内容を一義的に定めることはできない。「子の利益」とは、養育を介して「子の利益」の実現に携わる親及び国家の行為・判断を通じて具現化するものである。そこで、本稿では、親及び国家の位置づけを把握するためのメタな枠組みを設定し、「子の利益」の実現に携わる親及び国家の役割を明らかにする(Ⅱ~Ⅴ)。また、子の位置づけ・存在の意義について検討を加え、子自身の立場から「子の利益」の意義を探る(Ⅵ)。¶001