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Ⅰ はじめに

令和6年法律第33号による民法改正(以下、「令和6年改正」)は、子の養育1)を円滑に行い得るように、父母双方が親権者である場合に親権の単独行使が可能な範囲を明確にするとともに、監護者指定・監護の分掌がなされた場合には、身上監護に関する事項を単独でなし得ることを明示した。もっとも、監護者指定や監護の分掌を受けた親権者が、身上監護について単独で決定できるとしても、その実現のために、単独で子を法定代理して契約を締結し得るのかという問題が提起されている。本稿は、監護者指定・監護の分掌の実効性の追求可能性の検討を通じて、親権者の権限の中でも法定代理権の位置づけを確認するとともに、親権者の権限について今後の検討課題を提示する。¶001