事実
本件は、原告X(株式会社エディオン)が、被告Y(公正取引委員会)による審決(排除措置命令及び課徴金納付命令に対するもの)の取消しを求めた審決取消請求事件である。¶001
当初の行政処分では、Yが、平成24年2月16日、Xが平成20年9月6日から平成22年11月29日までの間(本件対象期間)に、Xに商品を納入する127社に従業員等を無償で派遣させて店舗開設準備作業の一部(商品の搬出、搬入及び店作り)を行わせた行為を、独占禁止法違反(優越的地位の濫用)と認定して排除措置命令及び40億4796万円の課徴金納付を命じた。令和元年10月2日の審決では当初の127社のうち35社への違反行為が否定され、課徴金については30億3228万円を超える部分が取り消された。なお、本件は、審判制度廃止前の手続が適用される(独占禁止法の平成25年改正法附則2条)。¶002
判旨
請求棄却。以下、判決書「第5 争点」の項目番号に従って記載する。¶003
Ⅰ
「1 本件従業員等派遣をさせたことは、Xが対象納入業者に対して自己の取引上の地位が優越していることを利用して正常な商慣習に照らして不当に行ったものか(争点1)」についてはさらに4つの争点に分かれる。まず、「(1)Xの取引上の地位は対象納入業者に対して優越しているか否か」については、従来の裁判例と同様に、Xの優越的地位とは「相対的に優越した地位」にあれば足りること、具体的には相手方にとって「取引の継続が困難になることが事業経営上大きな支障を来すため、Xが著しく不利益な要請等を行っても、これを受け入れざるを得ないような場合」を指すこと、行為者の市場における地位、相手方の行為者への取引依存度、相手方の取引先変更の可能性、行為者との取引の必要性・重要性などを考慮することを判示した。その上で、対象納入業者92社を分類し、①Xに対する年間売上高の依存度が高く10%超から49%に至った27社、②本件対象期間中、取引先の売上高順位においてXが1位から9位となっていた59社に加え、③取引依存度も売上高順位も上記①②ほど高くない6社についても、取引依存度の低さを補う事情を積み重ねる形で、Xの優越的地位が認定されている。¶004