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事実の概要

X(原告・控訴人・上告人)は、Y銀行(被告・被控訴人・被上告人)と当座勘定取引契約を締結していた。同契約には、「手形小切手の印影が、届出の印鑑と符合すると認めて支払をなした上は、これによって生ずる損害につき銀行は一切その責に任じない」という旨の免責約款が存在した。¶001

Yは、Xを振出人とする約束手形5通に対して支払をしたが、これらはXの義母が偽造印章を用いて作成した偽造手形であった。Xは、届出印の印影が手形上の印影よりも一回り小さく、印影上の「林」という文字の最終画が2mm下に伸びている点を挙げ、偽造が容易に判別できたと主張した。その上で、主位的に手形金に相当する損害賠償等を求め、予備的に上記支払が無効であるとして解約による同額の当座預金返還等を求めた。¶002