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有斐閣法律用語辞典第5版
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行政裁量とは何か、裁判所による審査といかなる関係に立つか、という問題は、行政法学の中核をなす課題である。本書は、この行政裁量の基層を剔出し、日独で蓄積されてきた議論を批判的に再検討した労作である。本文は241頁に及び、最近の傾向に鑑みると大部とはいえないものの、13年以上をかけて思索を積み重ねた軌跡を刻んでおり、その筆致は終始洗練されている。脚注では日独公法学の重要文献が裁量論に限定されることなく渉猟されており(例えば46頁~85頁)、その意味で本書は日独公法学への格好の導入書としての価値も備えている。全体の構成としては、第1部(初出2009年)で20世紀前後のドイツおよびオーストリア裁量論が分析され、第2部で戦後ドイツに定着した不確定法概念と裁量を区別する二元的裁量論、およびその背後にある完全審査原則の展開が跡づけられ、第3部で規整裁量をめぐる近年のドイツの論争が検討され、第4部(初出2021年)で行政訴訟における事実認定をめぐるさらに近時のドイツの議論が紐解かれる。序論と終論は書き下ろしである。各部はいずれも、「はじめに」で課題・方法・構成を示し、本論に続く「おわりに」で議論を要約し日本法への示唆を与える、という構成を採っている。¶001
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田中裕登「〔書評〕高田倫子著『行政裁量の法理論的・憲法学的考察』」ジュリスト1627号(2026年)79頁(YOLJ-J1627079)