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日本国憲法は、両院議員を選挙された全国民の代表と位置づけるが、「現代的文脈の下でもその意義を発揮させ、それによって代表制を機能させる方途は何か」。著者が、はしがきの冒頭で提示する問いである。¶001

代表されるべき対象の総体は「民意」とも呼ばれるが、民意は、著者も述べるように、あらかじめ一定の形で存在するものではなく、それ自体「多様で曖昧模糊」としている。それゆえにこそ、「民意をくみ上げる」代表の役割は大きい。しかし、社会が複雑化、個別化の様相を増し、さらにSNSの普及により様々な意見のみならず刹那的な感情や人為的に加工された情報が流布して選挙や政治に大きな影響を及ぼす今日、「全国民の代表」を語ることは難しくなっている。抽籤による民主主義の効用が説かれ、またテクノロジーを利用してより直截的に民意を捕捉・表明する仕組みも論じられるなど、「伝統的なあり方で選出される代表者に権限を委ねること自体」への懐疑も昂進している(1頁)。¶002