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Ⅰ はじめに1)

年金制度の定期健康診断にあたる2024年の財政検証2)結果では、出生数の減少が見込まれるにもかかわらず、年金の給付水準(所得代替率)の長期的な見通しは、2019年の前回検証よりも改善した3)。少子化を補って年金財政の改善に寄与した背景には女性や高齢者の就労拡大のほか、日本で働く外国人が増加したという事情がある。¶001

今回の財政検証結果は「日本の将来推計人口」(2023年4月、国立社会保障・人口問題研究所)に依拠し、外国人の入国超過数4)は年間16.4万人であることを試算の前提とした。16.4万人とは2016年から2019年の実績平均でもあり、試算の前提では中位推計にあたるが、これを低位推計(6.9万人)にすると様相は一転する。すなわち、経済前提によっては現行制度存続の最低ラインである所得代替率50%5)を割り込むことも想定される6)。今後の年金財政を支えるという意味で外国人がいかに重要な役割を果たすかを窺い知ることができる。¶002