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Ⅰ はじめに

日本の外国人労働政策は長らくフロントドア型ではなくサイドドア型であった。本音では人手不足を補うために外国人労働力を導入したいのに、建前上はそうではなく、労働者ではなく身分として在留を認める日系人が、入国後は労働者として自由に働けるという仕組みと、労働者ではなく学生のような立場である研修生として在留を認め、実際には労働者と同じ作業をさせるという仕組みが、1989年の出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」)改正で設けられた。前者はほぼそのまま維持されたが、後者は後述のような経緯で少しずつ労働者性を認め、労働者として在留を認める方向にシフトしてきた。本稿は主としてこの後者の流れを概観し、その中で2024年の入管法及び「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(以下「技能実習法」)の改正(以下「2024年改正」)により導入された育成就労制度を位置づけたい。なお、本稿は大部分が拙著『外国人労働政策』1)の内容の要約であり、具体的な典拠等は全て同書を参照されたい。¶001