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 事実の概要 

本件勧告的意見は、バヌアツを中心とする小島嶼開発途上国(SIDS)が主導したイニシアティブの一環として、国連総会決議77/276(2023年3月29日採択)に基づき国際司法裁判所(ICJ)に付託された。同決議は、気候変動を「文明史上前例のない挑戦」と位置づけ、人類の現在および将来世代の福祉が、気候危機に対する即時かつ緊急の対応に依拠しているとの認識を示している。¶001

総会決議は、国連憲章96条およびICJ規程65条に基づき、ICJに対し、(a)気候系および環境の他の部分を人為的温室効果ガス(GHG)排出から保護するための国家の国際法上の義務の内容、ならびに(b)そのような義務の下で、国家がその作為または不作為により気候系等に重大な損害を引き起こした場合の法的帰結について勧告的意見を求めた。特に、国連憲章、国際人権規約(自由権規約・社会権規約)、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)、パリ協定、国連海洋法条約(UNCLOS)に加え、相当の注意(due diligence)義務、世界人権宣言で認められた権利、重大な環境損害防止原則および海洋環境の保護および保存義務に「特に留意」するようICJに要請した。¶002