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 事実の概要 

X(原告・被控訴人)はチュニジア共和国(以下「チュニジア」)国籍を有する男性で、「LGBT」(表記は原審に倣う)であることを理由に、家族から自宅で監禁され暴行を受け、出身地外に逃れた後も家族に追跡され車で轢き殺されそうになった。そのため警察に保護を求めたが、チュニジアの国内法には同性愛行為や同性愛性的志向に対する処罰規定が存在しかつ実際に法適用が行われており、むしろ警察からも投獄や拷問を示唆され、保護を受けられなかった。そこで、令和元年12月31日にパートナーと共に日本に入国・上陸し、9日後の令和2年1月9日に、出入国管理及び難民認定法61条の2第1項に基づき難民認定申請を行った。しかし、大阪出入国在留管理局(被告・控訴人、以下「国」)から難民不認定処分を受けたため、審査請求を行い口頭意見陳述を申し立てたが、難民審査参与員はこれを実施しない旨決定し、法務大臣は本件審査請求を棄却する旨の裁決(以下「本件裁決」)を行った。そこでXは、難民不認定処分の取消しを求めて大阪地裁に提訴した。原審は、Xは難民の地位に関する条約(以下「難民条約」)上の難民に該当するとして、難民不認定処分の取消請求を認容した(大阪地判令和6・7・4判タ1532号95頁)。そのため、国が原審の判断を不服として、原判決を取り消しXの請求を棄却するよう大阪高裁に求めた事件である。¶001