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Ⅰ 最高裁判決

1 地方公務員の過労自殺に係る県の国家賠償責任

静岡県警部補事件(最判令和7・3・7民集79巻3号1159頁、労働法5行政法8)は、電通事件(最判平成12・3・24)を引用して、労働者に対して業務上の指揮監督を行う権限を有する者(上司)は、その権限を行使するにあたって、業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者がその心身の健康を損なうことがないよう注意すべきことを内容とする義務を負うところ、①この事理は、都道府県とその都道府県が置く警察の警察官との間においても別異に解すべき理由はない、②上司が上記注意義務に違反したことを理由として都道府県が国家賠償責任を負うか否かを判断する際には、警察官が従事した業務に係る諸般の事情を総合的に考慮すべきものであり、その際、地方公務員の公務上災害の認定に関する「精神疾患等の公務災害の認定について」(平成24・3・16地基補61号)の知見をしん酌できるが、認定基準が示す要件に該当しないことをもって直ちに上記損害賠償責任が否定されるものではないと判示した上、具体的判断として、上司らの注意義務違反を認定して、県の国家賠償責任を肯定している。①②ともに先例性の高い判断である。¶001