事実の概要
Y株式会社(被告。以下「Y社」)は、エレベーター等の研究開発・製造・販売等を事業内容とする取締役会設置会社であり、X(原告)はY社の株主である。XはY社の代表取締役であったが、令和4年6月23日に任期満了により取締役からも退任したうえで、Y社との間で、任期を1年間として、経営全般に関する助言を行う会長職に就任する旨の委任契約(以下「本件委任契約」)を締結した。¶001
令和5年2月24日、Y社の臨時株主総会が開催され、総株主の議決権の10%以上の議決権を有する投資ファンドPの提案に基づき、取締役7名のうちA・Bの2名を解任し、新たにC・D・E・Fの4名(以下「Cら4名」)を取締役に選任する旨の決議がされた。次いで、同年3月24日、Y社の取締役会が開催され、取締役9名のうちCら4名と従前からの取締役であるGの5名の賛成により、Cを取締役会の議長および招集権者として選任する旨の決議(以下「本件議長選任決議」)と、E・F・GをY社の指名・報酬諮問委員会の委員に選任する旨の決議(以下「本件委員選任決議」)がなされた。さらに、同月28日にCの招集により開催されたY社の取締役会(以下「本件取締役会」)では、Cの議事進行により、Xを会長職から解職し、本件委任契約を解除する旨の決議(以下「本件解職決議」)がなされ、Y社はそれに基づき本件委任契約の解除の意思表示をした。なお、上記の臨時株主総会の時点では、Y社の定款および取締役会規定とそれらに基づく取締役会決議によって、取締役会の招集権者および議長はAで、Aに事故あるときはBとされていた。¶002