Ⅰ 昭和29(1954)年~ 公的年金の制度基盤構築
本記事では、公的年金の制度基盤構築時に年金制度についてどのような理解がされていたのかを見るところからタイムラインを始める。この時期の出来事は、平成24(2012)年改正の経緯と直接の関係はない。しかし、この時点から、財政の均衡という要請が、法律に明記され、以降も年金制度改正の際の方向性を強く規定してきたこと、他方で、年金が最低生活保障としての性格を有するものであるという考えは支配的でなかったことを確認しておきたい。¶001
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昭和48年には、物価スライド制が導入された。もっと読む
国民年金法、厚生年金法の改正により、国民年金は全国民共通の基礎年金を支給する制度となり、厚生年金はその上に報酬比例の年金を支給する制度にして、年金制度を二階建ての仕組みにした。もっと読む
前々年度と比較した前年の全国消費者物価指数の変動比率が、平成12年度は-0.3%、平成13(2001)年度及び平成14年度は-0.7%であったため、物価スライド制によれば減額改定がされるはずであったが、特例措置がされ、平成11(1999)年度の額に据え置かれた。これにより、本来水準(物価スライド特例法が適用されなかったと仮定した場合の本来の年金額の水準)と特例水準(特例法の適用により実際に支給される年金額の水準)が生じることとなった。もっと読む
平成15年と平成16年ではそれぞれ、本来水準による年金額を基準として、2.6%(=1.7+0.9)、2.9%(=1.7+0.9+0.3)の減額改定がされるはずであったところ、平成15年・平成16年特例法により、特例水準による年金額を基準として、平成13年と比較した前年の物価指数の変動の比率分(平成15年度分につき0.9%、平成16年度分につき1.2%)のみに関して減額改定することとされた。もっと読む
平成16年改正法により、①最終的な保険料水準の固定、②基礎年金の国庫負担割合の引上げ、③積立金の活用、④物価スライド制の廃止とマクロ経済スライド制の導入、⑤特例水準による給付の継続措置(「特例水準給付継続措置」)がなされた。もっと読む
その後も、物価指数などの下落に伴い、本来水準は、特例水準による年金額を概ね2.5%下回るものとなった。もっと読む
厚生労働省社会保障審議会年金部会が、特例水準の解消等について議論を開始した。もっと読む
閣議決定では、新しい年金制度の創設に引き続き取り組むこととされた一方で、物価スライド特例分について、年金財政の負荷を軽減し、現役世代の将来の年金額の確保につなげるとともに、その財源を用いて社会保障の充実を図るため、本来の年金額より2.5%高い水準の年金額を支給している特例措置について、早急に計画的な解消を図ることとし、平成24年通常国会において法案を提出するものとされた。もっと読む
平成24年改正法が成立した。もっと読む
本記事では、公的年金の制度基盤構築時に年金制度についてどのような理解がされていたのかを見るところからタイムラインを始める。この時期の出来事は、平成24(2012)年改正の経緯と直接の関係はない。しかし、この時点から、財政の均衡という要請が、法律に明記され、以降も年金制度改正の際の方向性を強く規定してきたこと、他方で、年金が最低生活保障としての性格を有するものであるという考えは支配的でなかったことを確認しておきたい。¶001