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Ⅰ 権利侵害の明白性の主張の留意点

1 要件について

「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律」(情報流通プラットフォーム対処法。以下「法」という)5条1項及び2項は、発信者情報開示請求権の要件として「侵害情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき」と規定しており、権利が侵害されたことのみならず、その明白性をも要件としている。これは、発信者情報開示請求権が、被害者の被害回復のためほとんど不可欠な権利といえる一方で、発信者情報が開示されることになれば、発信者や侵害情報の送信に係る者等のプライバシー、通信の秘密や表現の自由を侵害するだけでなく、一旦開示されると開示前の状態へ回復することが困難であることから、これらの調和を図るべく、厳格な要件の下で発信者情報開示請求を認めたものであると解される(最判平成22・4・13民集64巻3号758頁参照)。¶001