事実
訴外A社は、再生医療製品の研究、開発等を目的とする公開会社でない株式会社である。訴外Bは、令和2年12月6日に死亡するまでの間、A社の代表取締役を務めていた。Y1(被告)は、令和3年2月12日までA社の監査役を務め、Y2(被告)は、本件当時同社の顧問会計士として新規株式公開(IPO)に関するコンサルタントを担当し、Y3・Y4(いずれも被告)は、令和3年2月12日まで同社の取締役を務めていた。¶001
令和元年5月16日、Y1は、投資事業有限責任組合X(原告)の無限責任組合員である訴外C株式会社の代表取締役を務め、Xの業務執行の実質的な判断を行っていた訴外Dに対し、「A事業紹介」と題する書面や平成31年4月25日付けの株主名簿(本件株主名簿〔1〕)等を提示し、A社の事業内容、A社が令和4年7月にIPOを行うために令和元年7月に1株5000円で40万株の第三者割当増資が行われる予定であること、増資までにつなぎ資金が必要であることを説明した上で、Bの保有するA社の株式を買い取る方法でのA社に対する投資を行うことを依頼した。本件株主名簿〔1〕には、Bの持株数は49万5833株(持株比率55.3%)と記載されていたが、既にY1やY2を含めた第三者に譲渡され、または第三者からの借入れの担保に供されたB名義の株式(名義貸株式)については記載されておらず、Y1は、名義貸株式の存在をDに説明しなかった。名義貸株式を含めない場合のBの実質的な持株比率は37.19%程度にすぎなかった。¶002