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事実

X社(原告)は、東証プライム市場上場会社であるY社(被告)の株主である。Y社には、定款の規定に基づいて取締役会が定めた株式取扱規則(以下「本件株式取扱規則」)があり、その11条1項において、株主が株主権を行使する場合は、それを本人が行ったことの証明資料等を提供すべき旨が規定されていた。¶001

X社は、Y社の株主に対し、委任状を勧誘するため、窓あき封筒の中に委任状用紙(片面に委任状が記載され、反対面に、株主の住所・氏名・株主番号・持株数が記載された用紙)や説明文書等を同封して送付した。その後、令和5年6月初旬、Y社は株主に対し、同月21日を開催日とする定時株主総会(以下「本件株主総会」)の招集通知を送付した。また、Y社は、X社に対し、同月5日付けの通知により、委任状の事前集計への協力を依頼するとともに、株主本人が委任状を作成したことを確認できるよう、令和2年10月16日改正後の全国株懇連合会理事会決定による株主本人確認指針(以下「全株懇確認指針」)に従った証明資料等を添付して委任状を提出するよう求めた。しかし、X社は、自らが用いた勧誘方法であれば、株主から返送された委任状は株主本人が作成したことが経験上明らかである旨を主張し、Y社の求めに従わない意向を示したため、Y社は、同月19日と同月20日にも同様の連絡をした。¶002