事実
X1(原告・被控訴人)は、YouTubeで「Rちゃん」という名でチャンネルを開設して動画を配信するいわゆるユーチューバーであるX2(原告・被控訴人)のタレント活動に関するマネジメント等を行う会社であり、同人からそのパブリシティ権の譲渡を受けた。Y(被告・控訴人)は、飲食店を経営している会社であり、本件ホストクラブを運営している。本件動画1は、YouTube上の「ヘラヘラ三銃士」という名称のチャンネルに投稿されたものであり、Rちゃん及び「ヘラヘラ三銃士」の出演者が出演し、本件ホストクラブを体験する中で、自身の体験や感想等を述べる内容の動画になっている。本件動画2は、X2が「Rちゃん」のチャンネル内に投稿した動画であり、本件ホストクラブを体験する中で、自身の感想等を述べているものであり、X2は、X1に対し、本件動画2の著作権を譲渡した。Yが、本件ホストクラブの店頭設置モニターの映像として、本件動画1、本件動画2を使用したのに対し、X1が、主請求として、不法行為(本件動画1につきパブリシティ権侵害、本件動画2につき著作権侵害)に基づく損害賠償請求、附帯請求として遅延損害金請求、X2が、主請求として、不法行為(本件動画2につきX2の名誉棄損及び著作者人格権侵害)、附帯請求として、遅延損害金請求をなしたのが本件である。Yは、原審において、口頭弁論期日に出席せず、答弁書その他の準備書面を提出しなかったため、Yにおいて請求原因事実を争うことを明らかにしなかったものとして自白したものとみなされ、X1、X2の請求が全部認容されたところ(東京地判令和6年(ワ)第70287号)、これを不服として控訴したのが本件である。控訴審において、Yは、本件動画1の使用は、右動画の出演者の認知集客の向上のため、あるいは、来客者に対して本件ホストクラブの雰囲気を伝えるために行ったものであり、放映対象も店舗前の通行人に限られ、期間も短期であったから、Yは、X2の顧客吸引力を用いて商品等の販売を図るような営利行為を行ったものではなく、パブリシティ権侵害は成立しない等と主張した。¶001