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Ⅰ はじめに

「成年後見法が『民法の問題』であることを、制度の原理に遡って考察する」という、本特別企画の問いかけそれ自体が、既に成年後見法と呼称される法領域のある種の特異性を示しているように思われる。これは、たとえば「成年後見法は『親族法』の問題であるか」といったこととは本質的に異なる問いかけである。というのも、成年後見制度に係る実体法規定が、そもそも民法典とその特別法である任意後見契約法にある以上、成年後見法が民法の問題であることは、むしろ自明とすらいえそうだからである1)。にもかかわらず、「民法と成年後見法との結節点」や「民法と成年後見法との原理・理論面における接続」が正面から問われるとすれば、そこでいう成年後見法とはそもそもいかなるものかという、成年後見法の定義に係る問題が浮上するように思われる。以下では、この問題意識を通奏低音としつつ、各論文に対する若干の感想を述べる。¶001