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* 筆者は、2010年から2013年にかけて法務省民事局調査員として法制審議会会社法制部会の事務局の一員として平成26年会社法改正に向けた作業に関与したが、本稿のうち同改正に関する記述は、あくまで筆者個人の研究者としてのものであり、法務省民事局の意見と必ずしも一致するものではない。なお、本稿は科学研究補助金(基盤A)23H00033の支援による成果の一部である。¶001

Ⅰ 上場会社法制とその課題

上場会社には、会社法に加えて、金融商品取引法とそれらに基づく政令・内閣府令や金融庁による各種のガイドライン、その発行する株式を上場している金融商品取引所(証券取引所)の有価証券上場規程等の規則、さらにはコーポレートガバナンス・コードなどのソフトローが適用される。これらのルールは、その目的や法的性質を異にするが、「機能的には……上場会社の組織や活動を規律する点で同様の役割を果たして」いるものであることから、近年では、「会社法と金融商品取引法の垣根を越えた統一的な把握をする理論の構築が重要」であり1)、これらを「総体として『上場会社法』として考察する」2)必要があるとされることが多い3)¶002