事実
X(本訴原告=反訴被告)は、医薬品の製造販売等を業とする株式会社であり、Y(本訴被告=反訴原告)は、医薬品の製造販売等を業とする法人である。Yが保有する特許第3989175号(以下「本件特許」といい、その特許権を「本件特許権」という)は平成19年7月27日に登録され、その後、Yは本件特許権の延長登録を受けた。Xは、令和5年10月4日、Yが製造販売する「スプリセル錠20mg」等の後発医薬品として、X製品(「ダサニチブ錠20mg」等)について効能・効果及び用法・用量の追加承認を取得した。この承認に基づき、X製品の添付文書が変更され、慢性骨髄性白血病を含む用途に対応するX製品の製造・販売が開始された。Xが、Yに対し、存続期間の延長登録を受けた本件特許権の効力は、XによるX製品の生産、譲渡及び譲渡の申出に及ばない旨を主張して、主位的にはその旨の確認を求めると共に、予備的に、YがXに対して本件特許権に基づく差止請求権及び本件特許権侵害の不法行為に基づく損害賠償請求権をいずれも有しないことの確認を求めたのが本件本訴である。これに対して、Yは、X製品は本件特許に係る発明のうち特許請求の範囲請求項9記載の発明の技術的範囲に属し、延長後の本件特許権の効力はXによるX製品の生産等に及ぶ旨を主張して、Xに対し、本件特許権侵害の不法行為に基づく損害賠償及び遅延損害金の支払を求めて本件反訴を提起した。¶001