Ⅰ はじめに
近年、人工知能(AI)をはじめデジタル技術の進展は著しく、これまでの経済社会や行政の在り方そのものを大きく変え、人々の生活や企業の活動に大きな影響を与えている。急激な人口減少社会への対応が求められる我が国にとっては、デジタル化によって得られる様々な恩恵を最大限享受することで、労働力が減少する中においても、公共サービス等の改善、意思決定の質的向上、業務の効率化、生産性の向上、産業競争力の強化等あらゆる課題を克服し、持続可能な社会を実現していく必要がある。その鍵となるのが、データである。IoT機器の発達と普及により、世の中のあらゆる情報がデジタル化され、官民問わず様々な主体が大量かつ多様なデータを保有することとなった。データは、単体での活用や保有主体内部での活用にとどまる限りにおいて、その効用は限定的であるが、大量かつ多様なデータが保有主体の垣根を越えて共有され、活用される場合においては、これまで我々が見出すことのできなかった物事の新たな価値を創出する可能性を秘めている。例えば高性能のAIを開発するためには、その学習するデータの量と質が重要である。¶001