事実
被告Y2は、被告株式会社Y1の代表取締役であり、原告Xは、Y1社の株主である。¶001
本件のうちY1社との関係では、Xが、Y1社との間で消費貸借契約を締結し、弁済期が到来したとして、Y1社に対し、貸付金合計2941万9636円ならびにそれに対する利息金および遅延損害金を支払うよう求めた事案である。¶002
また、本件のうちY2との関係では、Xが、Y2において令和2年1月20日にY1社を代表してY1社の取締役である訴外A(Y2の子)が代表するa社に4500万円を貸し付ける旨の諾成的消費貸借契約を締結した行為について、これによりY1社が無資力となり、Y1社に何らの利益ももたらさないものであって、①形式的に消費貸借の形をとって自ら又は自らの子に取得させた図利目的のものであること、②株主総会の承認を経ない利益相反取引に当たることから、Y2のY1社取締役としての任務懈怠に当たり、Y1社はY2に対し会社法423条に基づく損害金4500万円およびこれに対する遅延損害金の各債権を有するとして、XのY1社に対する上記の請求に係る債権を被保全債権とする債権者代位権に基づき、Y2に対し、Y1社のY2に対する同条1項に基づく損害金4500万円およびこれに対する平成29年法律第44号による改正前の民法所定の割合による遅延損害金を、被保全債権の限度でXに支払うよう求めた事案である。¶003