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Ⅰ はじめに

本稿は、情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律(刑事デジタル法)により、刑法典に新設された罰則について、法制審議会刑事法(情報通信技術関係)部会での議論を概観しつつ、検討を行うものである。筆者は、同部会に、刑法学研究者の立場から、委員として、樋口亮介教授(幹事:以下本稿ではこちらの肩書を用いる)とともに、実体法の改正をめぐる議論に加わったが、本稿において述べる見解は、あくまで私見であり、同部会の意見そのものではないことは、予めお断りしておきたい。¶001