Ⅰ 専門職としての弁護士
弁護士、いわゆる士業を代表する専門職である。専門職とは、高度の専門的知見を備え、それを基礎として社会活動を展開する職業人を意味する。¶001
弁護士制度は、明治9年(1876年)の「代言人規則」を源流として、爾来、1世紀半にわたる歴史と伝統を持ち(兼子一=竹下守夫『裁判法〔第4版〕』〔有斐閣、1999年〕364頁、本書第1部10〔以下、「本書」は省略する〕参照)、わが国の近代法制と社会とを支えてきた柱である。¶002
弘文堂
2024年10月刊
A5判・752頁
本体1万2000円+税
ISBN:978-4-335-36002-2
第1部 弁護士制度をめぐる諸問題
序 2050年の弁護士の姿を予測する 髙中正彦
1 弁護士コミュニティの多様化とプロフェッション性 渡辺千原
2 「弁護士の国際化」の現状と課題 須網隆夫
3 組織内弁護士――弁護士のプロフェッション性をめぐる論点のクロスロード 平田彩子
4 若手弁護士が直面する諸問題 澁谷 歩
5 地方都市の弁護士の実情と展望――人口減・高齢化・厳しい経済状況のなかで 稲田知江子
6 大規模法律事務所の成長の過程と運営に関する今日的課題 石原 修
7 競争時代下の弁護士の変容と弁護士自治制維持上の課題 市川 充
8 弁護士懲戒における裁量の範囲と司法審査 加藤新太郎
9 濫用的懲戒請求を巡る諸問題 神田安積
10 弁護士会の指導監督権の限界 髙中正彦
11 弁護士会照会の報告義務等を巡る諸問題 石黒清子
12 弁護士の継続研修におけるジェンダー視点 南野佳代
13 司法アクセスの保障と弁護士の役割 池永知樹
14 弁護士の法律事務独占と「事件性」を巡る諸問題 伊藤倫文
15 司法書士・行政書士の業務権限と非弁問題 井上英昭
第2部 弁護士倫理をめぐる諸問題
序 弁護士倫理の「これから」を展望する 石田京子
1 弁護士依頼者関係と弁護士倫理――心理と環境 飯田 高
2 弁護士の「独立性」を巡る諸問題 石畔重次
3 弁護士の第三者に対する責任 榎本 修
4 弁護士の本人確認義務――地面師事案における弁護士の責任 西田弥代
5 守秘義務を巡る諸問題 手賀 寛
6 遺言執行者と後見人等を巡る諸問題 藤川和俊
7 第三者委員会等と弁護士職務基本規程 髙橋 司
8 社外通報窓口を巡る実務上の諸問題――顧問弁護士による「受付」業務を中心に 鳥山半六
9 社外役員に関する弁護士倫理上の課題 安藤知史
10 利益相反規律の問題について――利益相反の同意解除と利益相反解除を狙った事件辞任 太田秀哉
11 弁護士法25条利益相反禁止違反行為を巡る諸問題 田村陽子
12 共同事務所・弁護士法人における利益相反対策 桑山 斉
13 共同事務所の離脱・移籍を巡る諸問題 加戸茂樹
14 業務承継の対価授受をめぐる弁護士倫理の課題――引退に伴う事業譲渡を中心にして 馬場 陽
15 弁護士の広告活動を巡る諸問題 上妻英一郎
16 技術革新と弁護士倫理 石田京子
弁護士、いわゆる士業を代表する専門職である。専門職とは、高度の専門的知見を備え、それを基礎として社会活動を展開する職業人を意味する。¶001
弁護士制度は、明治9年(1876年)の「代言人規則」を源流として、爾来、1世紀半にわたる歴史と伝統を持ち(兼子一=竹下守夫『裁判法〔第4版〕』〔有斐閣、1999年〕364頁、本書第1部10〔以下、「本書」は省略する〕参照)、わが国の近代法制と社会とを支えてきた柱である。¶002