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Ⅰ はじめに

公益通報者保護法(以下「公通法」という)が第217回通常国会にて一部改正された(令和7年法律第62号。以下「令和7年改正法」という)。改正法には①公益通報を理由とする解雇・懲戒への刑事罰の導入、②通報後1年以内の解雇・懲戒について公益通報を理由としてされたものと推定する立証責任の転換、③通報対応業務の従事者指定義務違反への是正命令及び同命令違反時の刑事罰の導入、④通報者探索の禁止、⑤通報妨害の禁止、⑥通報者の範囲にフリーランスを含めること等が新たに盛り込まれた。令和2年の法改正(令和2年法律第51号。以下「令和2年改正法」という)の際に課題とされつつ実現しなかった公益通報を理由とする不利益取扱いに対する是正策、通報者の立証責任の緩和策1)についても一定の対応がされたもので、通報者保護の観点から前進したと評価できる。¶001