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有斐閣法律用語辞典第5版
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Ⅰ 公益通報者保護法と2025年改正の経緯
公益通報者保護制度の歴史はそう古くはない。¶001
20世紀末から21世紀にかけて、企業内で不正が隠蔽されたことによる不祥事が世界的に多発した。1988年ロンドンシティ列車二重衝突事故(死亡者35名)、1991年国際商業信用銀行(BCCI)経営不正破綻、2001年エンロン社粉飾決算破綻などである。これらの事件は、企業内で不正を知った従業員からの通報が適切に行われなかったことで不正が隠蔽され重大事故に至り、あるいは従業員による通報によって企業内の不正が発覚し企業の経営破綻に至ったものである。企業内の不正を通報する者(whistleblower)の存在は、企業の不正を防止し、公益を守るための重要な手段となる。このような反省に立ち、イギリスで1998年に公益開示法(Public Interest Disclosure Act〔PIDA〕)、アメリカで2002年にサーベンス・オクスリー法(Sarbanes-Oxley Act〔SOX法〕)、フランスで2016年にサパンⅡ法(Loi Sapan II)が制定されるなど、20世紀末から21世紀にかけて各国で公益通報者保護制度の整備が進められた。2019年にはEUの共通ルールとして公益通報者保護指令(Directive(EU)2019/1937)が定められ、同年の大阪サミットでは「効果的な公益通報者保護のためのG20ハイレベル原則」が採択された。¶002
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水町勇一郎「公益通報者保護法改正の意義と課題」ジュリスト1613号(2025年)43頁(YOLJ-J1613043)