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 事実の概要 

本件は、いわゆる名張毒ぶどう酒事件に係る第10次再審請求事件である(なお、本件申立人は、死亡した事件本人Xの妹である)。¶001

第一審の無罪判決(津地判昭和39・12・23判時401号6頁)を破棄して死刑を言い渡した確定判決(名古屋高判昭和44・9・10判時576号22頁)によると、Xは、妻と愛人との三角関係を清算しようと考え、昭和36年3月28日、生活改善クラブの懇親会等が開催される公民館に女子会員用のぶどう酒を運び入れた上、公民館に誰もいなくなった隙に、竹筒に入れて持参した有機燐テップ製剤である農薬ニッカリンTを注入し、懇親会に出席した女子会員に提供させ、妻と愛人を含む5名を殺害した等とされている。¶002