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Ⅰ はじめに

超高齢社会、デジタル化、グローバルな消費生活行動、情報発信者の多様化・多層化などの大きな環境変化の中で、消費者法を取り巻く環境は、単に「消費者」という語の対象・内実の変化を超えて、法制度相互間の関係や、政策実現主体の多層性、規律対象の多様化など、従来想定していなかった複雑性を増している。¶001

本稿は、「ハードロー的手法とソフトロー的手法、民事・行政・刑事法規定など種々の手法をコーディネートした実効性の高い規律の在り方」を模索する問題意識で検討し、報告した内容1)を基にしている。消費者法制度における規律の在り方を検討するために、政策課題解決型の法領域であることが早期から意識され、多様な政策手法を検討し実践してきた環境法学・環境法制での政策手法の多様化・多元化、複層性についての議論を参照し、消費者法の現代化に向けた示唆を得ることを試みる。¶002