FONT SIZE
S 文字の大きさを変更できます
M 文字の大きさを変更できます
L 文字の大きさを変更できます

交通事故の被害者X(原告・控訴人・上告人)は、損害保険会社Y(被告・被控訴人・被上告人)と弁護士費用特約が付された自動車保険契約を締結していた。A弁護士はXから委任を受けて事件を解決したが、Yは弁護士報酬と実費の支払をしなかった。そこでXがYに上記契約に基づく弁護士報酬等約48万円と遅延損害金の支払を請求した。保険金請求権の発生要件が問題となった。

本件では(1)本件弁護士費用特約において①弁護士費用等の金額についてYの同意を得た上で②保険契約者が弁護士等に対して現実に報酬等を支払ったことが保険金請求権の発生要件として定められている。(2)①YはLAC基準(日弁連リーガル・アクセス・センターの弁護士報酬算定の基準)により算出される額33万1227円が適正であるとして、Xの請求に応じなかった。②Xは現実にAに報酬等を支払っていない。以上から保険金請求権の発生要件を満たさない。(3)実務上、被保険者が実際に支出していない場合にも保険金の支払が行われることはあるが、これは保険者と被保険者との合意によるものと解され、本件ではそのような合意もない。以上を理由に、本判決はXの請求を棄却した。

この記事は有料会員限定記事です
この記事の続きは有料会員になるとお読みいただけます。
有料会員にご登録いただくと
有斐閣Online
ロージャーナルの記事
が読み放題
記事を
お気に入り登録できる
条文や法律用語を
調べられる
会員について →