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事実の概要

(1)

原告Xは、両股関節機能全廃などの障害により、身体障害者手帳3級の交付を受けている。Xは、平成10年7月以降、処分価値のない自動車を保有している。¶001

(2)

Xは、平成18年11月6日、Y市福祉事務所を訪れ、生活保護の申請をした。またXは、外出の際は乗用車での移動でないと実用的動作が困難である旨の医師の診断書を提出した。同年11月20日、Y市福祉事務所長は、Xに対して、生活保護開始決定を行った。平成19年3月5日、Y市福祉事務所長はXに対し、自動車保有要件を満たしていない旨を説明し、Xの意向を確認したところ、Xがあくまで自動車を使用したいと述べたことから、同月26日、Y市福祉事務所長は、自動車の保有が認められないことを理由として、同年4月13日までに自動車を処分するよう文書で指示(本件指示)を行った。Xは、自動車の処分を行わなかったため、Y市福祉事務所長は、同年4月27日、同年5月1日をもって保護を廃止する旨の処分(本件廃止処分)を行った。¶002