FONT SIZE
S
M
L

事実の概要

X(本件事件当時9歳―原告・被控訴人=控訴人・被上告人)は、母親の病気療養のため家庭での養育が困難になったことから、平成4年1月10日、Y1(愛知県―被告・控訴人=被控訴人・上告人)による児童福祉法(以下「児福法」という)27条1項3号(要保護児童に対する都道府県の措置権限に関する規定)に基づく入所措置(以下「3号措置」という)により、社会福祉法人Y2(被告・控訴人=被控訴人・上告人)が運営する児童養護施設A学園で養育監護を受けていた。平成10年1月11日、XはA学園内で、同じく3号措置により同学園に入所中の児童ら4名(当時12歳~15歳)から暴行を受け、外傷性くも膜下出血等の障害を負い、入院加療を受けたが、高次脳機能障害等の後遺症が残った。この暴行は直前に同学園の職員Bから、上記4名のうち1名がXを蹴ったことで注意を受けた腹いせとして、Bが事務室に戻った間に行われたものであった。¶001