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事実の概要

(1)

中華人民共和国の国籍を有するX(原告・控訴人・上告人)は、昭和63年8月に、平成元年改正前の出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」とする)の在留資格4-1-16-3(法務大臣が特に在留を認める者)で入国した。Xは一時帰国した後、平成2年2月に再入国し、同年8月に在留期間が満了したのちも在留期間更新申請等をしないまま日本に滞在していた。¶001

Xは平成6年4月に交通事故により頭蓋骨骨折等の傷害を負って入院し、同年6月に退院、同年8月に生活保護の申請をしたところ、Y(中野区福祉事務所長―被告・被控訴人・被上告人)はXがいわゆる「不法滞在」の外国人であることを理由に申請を却下した(以下「本件処分」とする)。Xは同年9月に東京都知事に対し本件処分にかかる審査請求を行ったが、平成7年2月に不服申立適格がないとして却下された。¶002