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Ⅰ 概要

1 背景

男女ともに仕事と育児・介護を両立できるようにするため、令和6年、育児・介護休業法及び次世代育成支援対策推進法(以下、「次世代法」という)が改正された(以下、本改正後の育児・介護休業法を「新○条」という)。¶001

人口構造の変化や労働者の意識の多様化等に伴い、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)を図る必要性が唱えられている。法政策においては多様な人材が充実感をもって活躍できる環境整備が課題とされ、特に育児・介護に関する施策を中心に展開されてきた。近年では男性の育児休業の取得率の低さが指摘され、令和3年改正によって、出生時育休(産後パパ育休)制度や育休制度等の個別周知及び取得の意向確認、男性の育休取得率の情報公表等が定められ、取得促進に向けた取組みもみられる。併せて、有価証券報告書においても男性の育休取得率等の開示が求められており、投資判断の基準の1つとされている。もっとも、女性と比べると取得率が低く、両立支援制度の利用状況にも差があることから、男女ともに育児・家事を担いつつ、希望に応じて仕事やキャリア形成との両立を実現することが目指されている。¶002